「FIRE」という言葉を聞いたことはありますか?Financial Independence, Retire Earlyの頭文字を取った言葉で、日本では早期リタイアまたはアーリーリタイアと呼びます。経済的自由を手にして、自分らしい生き方ができるライフスタイルということでアメリカを中心に注目されています。本記事では、FIREの魅力とFIREを達成するためのポイントについて解説します。

 

FIREとは?

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、早期リタイア(アーリーリタイア)のことを言います。FIREと書いて「ファイア」と読みます。火事や解雇を意味する「fire」と区別するために、スペルはすべて大文字で表記することが一般的です。

 

経済的な安定を早くに確立し、時間とお金から開放されることを目指すライフスタイルです。FIREという言葉は、2010年代には生まれていたといわれており、2014年にはダボス会議でFIREが言及されたことで、主にミレニアル世代の若者の間で火が付きました。この動きは「FIREムーブメント」と呼ばれ、アメリカを中心にその動きが注目されています。

FIREとセミリタイアの違い

セミリタイアとは、「準」や「半分」を意味する「セミ」と引退を意味する「リタイア」をかけ合わせた言葉で、組織体に属さずに自分のペースで価値を生み出し、収入を得るライフスタイルのことです。アーリーリタイアのように、全く労働をせずに貯蓄や資産運用だけで過ごすライフスタイルではありません。

 

また、FIREと似た言葉にダウンシフトがありますが、こちらは引退というニュアンスはなく、自分の好きなことや家族のための時間に使うこともあれば、バリバリ働きたい時は、仕事の比率を増やすといったように、自分のライフステージに合わせて自由自在にギアチェンジできるライフスタイルです。

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FIREが注目されている理由

今日本でも、FIREというライフスタイルに少しずつスポットが当たりつつあります。なぜ、今になってまたFIREムーブメントが再燃してきているのでしょうか。その要因としては、以下の2つが挙げられます。

働き方の多様化

従来は、会社員として定年まで勤め上げ、我慢の選択をし続けることと引き替えに、昇給や出世というカードを獲得することができました。しかし、複業解禁やテレワーク推進などにより、観光地や旅先で仕事をする「ワーケーション」、会社員として働きつつも、他の場所でも仕事をする「パラレルワーカー」、農業で生活する分だけの食を確保し、残りの時間で自分の好きなことや、やりたいことをして働く「半農半X」など、ここ数年でさまざまな働き方が生まれました。

 

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FIREもその新しい生き方・働き方の一つです。日本は、世界諸国と比較しても長寿国です。人生100年時代を生き抜くには、長期的な人生設計が重要です。65歳の定年というゴールに向かってひたすら走り続けるのではなく、早めに「労働」というステージにピリオドを打ち、次の新たな人生に向けて計画するという意味においては、FIREは非常に最適な選択肢と言えるかもしれません。

 

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見えてきた成長主義の限界

自社や自国の利益追求のために、大量生産・大量消費のサイクルを回し続けた結果、水質汚染や海洋ゴミ問題、天然エネルギー資源の枯渇や食糧危機など、人類が危機に瀕するさまざまな問題を引き起こしています。今後は、競争をするのではなく、国や企業がそれぞれ手を取り合って「共創」し、よりよい社会を作っていくことが重要になります。この傾向は個人にも強く影響を及ぼしています。家族との時間を犠牲にして給料を得ることが良いのか、65歳まで働き続けることが本当に正しい選択なのか、今までの働き方を問い直してお金や時間という価値を再定義して、より自分らしく生きようとする人がFIREという選択肢を考えています。

FIREで実現する暮らし・働き方

貯金額によって実現度合いは変わるものの、大半の物事は実現可能です。楽器を演奏したり、映画を見たりなど趣味に勤しむこともできるし、釣りやヨット、サーフィンといったアクティビティに興じることもできます。

また、場所の制約からも解放されるため、地方移住や海外移住も可能です。全く知り合いがいない国に移住をして、新たな人生をスタートさせてみるのも面白いでしょう。物価の安い国なら、FIREを持続できる期間はさらに伸びるでしょう。

FIREを実現するポイント

ここまで、FIREによって実現できる暮らしや働き方など、主に魅力についてお伝えしました。では、このFIREを達成するためにはどのような方法が有効なのでしょうか。

4%​ルールを実践する

FIREでは、「4%ルール」という指標があります。4%ルールとは、生活費を投資元金の4%以下に抑えることで、資産を30年以上取り崩すことなく生活できるという理論です。つまり、年間生活費の25倍を貯金できれば、FIREに移行することができます。

 

しかし、この計算はあくまで年利4%の運用益を見越した計算で、100%確実な方法ではありません。FIREの実践者、クリスティ・シェン(Kristy Shen)氏が執筆した「FIRE 最強の早期​リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド」によれば、為替変動による資産目減りのリスクを避けるためには、現金クッションと利回りシールドが欠かせないと述べています。

 

現金クッションとは金利の高い口座に預け入れた予備資金のことで、目安として5年分の生活費を挙げています。しかし、5年分の生活費は決して小さい金額ではないため、同書では利回りシールドと呼ばれる方法を提案しています。

 

利回りシールドとは投資信託で得られる分配金を指し、これを加味すると、用意する現金クッションの金額はもっと少なくなると説明しています。

生活コストを抑える

年間にかかる生活費を圧縮できれば、FIREに到達する期間をさらに短くできます。日々かかる固定費や変動費を節約することはもちろん、物価の安い地域への移住を検討することで場合によっては、現在の生活コストを1/2や1/3にすることができます。

資産運用を始める

30代、40代という若さで、4%ルールを達成するには、転職をして収入を増やしたり、生活費を節約したりするだけでは限界があります。4%ルールのリスクを防ぐ利回りシールドも、投資をしていなければ構築できないことからFIREを達成するうえで、資産運用をすることは必須と言えます。

 

「今、手元にお金がないから投資する余裕がない」という方も多いかもしれませんが、投資を始めるのは早ければ早いほど有利です。例えば、毎月1万円を積み立てるだけでも、年利2%で240万円が290万円程度に増えます。毎月少しずつでも投資をすることで、できるだけ早くFIREへの道が開けます。

まとめ

経済的自由を手にし、自分の好きなことややりたいことに、とことん時間を使える夢のような暮らしFIRE。「今手元にお金がない人には夢のまた夢の話」と思うかもしれませんが、生活費を大幅に削減し、計画的に将来の設計図を描くことができれば、決して不可能な話ではありません。本日の記事をきっかけに、あなたのライフプランを見直してみましょう。

 

この記事を書いたひと


俵谷 龍佑

俵谷 龍佑 Ryusuke Tawaraya

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、ランサーズ株式会社等