キャリアアップの手段の一つとして今注目されているのが「プロボノ」です。プロボノとは、自分の専門知識やスキルを活かし、社会貢献する活動のことを指します。

本日は、プロボノとは?またそこから一歩進んでプロボノからはじめる自分らしい働き方について書いていきたいと思います。

プロボノの意味や定義とは?

プロボノとは、自分の専門知識やスキルを社会貢献のために無償で提供する働き方を指します。また、プロボノの活動を実践する人を「プロボノワーカー」と呼びます。副業や複業と似ていますが、プロボノはあくまで報酬を得ない取り組み、業務委託契約等の雇用契約を締結しないのが一般的です。

 

プロボノという言葉は、「共善のために」という意味を持つラテン語「pro bono publico」の略称です。1908年にアメリカの全米法曹協会が始めた低所得者への無償法的サービスが原点とされています。


日本国内でも、徐々にプロボノという考え方が浸透しており、「ママボノ」「NPO法人 二枚目の名刺」といったプロボノマッチングサービスが少しずつ増えつつあります。

プロボノとボランティアの違いとは?

プロボノと似た言葉にボランティアがありますが、ボランティアはスキルやノウハウに関わらず、復興や災害支援といった社会的活動に参加するのに対し、プロボノは自分が培った専門的なスキルや経験を社会に役立てるという意味合いがあります。

プロボノのメリット

プロボノの意味が分かったところで、ではプロボノをすることで具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか?ポイントに絞ると以下の3つになります

1.多様な人的ネットワークができる

プロボノ活動を通して、異業種の多様なネットワークを構築できます。プロボノ活動をしようと思う時点で皆、意識が高く社会課題意識を持っています。また、同じ志を持った仲間やつながりができます。フリーランス、経営者、士業など、会社ではなかなか出会えない人とプロボノ活動を通じて関わることができます。

2.社外での活動実績が作れる

社外での活動実績を作ることができます。例えば、Webサイトの制作であれば、その実績を活用して、副業の仕事を受注することも可能になります。他のプロボノ活動に活かせるだけでなく、複業、さらにその先の独立やフリーランスに向けてのファーストステップに活かすことができます。

3.自身がもつ潜在的な価値に気づける

会社のブランドイメージや肩書きによって、真の自分の市場価値は把握できませんが、プロボノでは個人の力を測ることができます。また、プロボノ活動をすることで、予期せぬところに自分の価値や強みがあることに気付かされることもあります。

独立する自信はまだないけど、そんな人に向いているプロボノ

プロボノ活動は、これから複業・副業したい、フリーランスになりたい、だけどその一歩が踏み出せないう人にはうってつけの活動と言えます。前述したように、プロボノを通してさまざまな業種の人と知り合えますし、専門スキルを発揮し、自身の本当の実力を見極めることができます。

 

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複業・副業意欲が高まる近年

政府の働き方改革で、就業規則のモデルケースから副業禁止の文言が削除されて以降、複業・副業の波が徐々に広がっています。

 

リクルートキャリアが兼業・副業が認められている企業で働く2,062名を対象に実施した「兼業・副業に対する個人の意識調査(2019)」によれば、「兼業・複業をしたことがない」と回答した割合は61.3%、このうち、兼業・複業をしてみたいという質問に対し、「興味があって調べたことがある」と回答した人が17.6%、「興味はあるが、具体的に行動したことはない」と回答した人が47.3%と、「興味はあるけど具体的に行動に移していない」人の割合が60%近くにのぼっています。

<参照:兼業・副業に対する個人の意識調査(2019)

 

複業に興味を示す人は多いものの、どのように進めていくのか具体的なイメージができないのが、最初の一歩を踏み出せない理由の一つなのかもしれません。

また、複業の浸透率が過半数を達していない理由の一つとしては、複業の導入に懸念を示している企業が多いのも挙げられます。

 

2018年5月にアデコグループが行った「副業・複業に関する調査」では、「あなたのお勤め先では、現在、自社の社員に副業・複業を認めていますか?」という回答に対し、禁止しているという回答が66%と、約6割の会社が複業を禁止していることがみてとれます。

 

>>>>複業についてもっと知りたい方は以下の記事を参考に
目的を持って“複業”を|多様化する働き方

複業・副業につながるプロボノ

複業だと、経験者優遇など募集要件は即戦力中心であることも多いのが現状です。また、報酬が発生する仕事は荷が重いと考える人も多いと思います。

その点、プロボノは報酬も発生せず、自由に参加できます。思う存分、自分のスキルや経験値を活かし、社会貢献することができます。

プロボノで社外でプロジェクトに参加する感覚がつかめたら、その後クラウドソーシングや複業マッチングサイトなどで仕事から受注し、複業の経験値を積むのがベターでしょう。

プロボノを始める際の注意点

プロボノは新しい働き方ゆえ、法律的な観点や、一般的なマナー・モラルという観点からは、なかなか語られません。プロボノ・複業にあたってよく起こるトラブル・注意点についてまとめたので、始める前に必ずチェックしましょう。

 

1.情報漏えいのリスク

これは、プロボノや複業に限った話ではありませんが、プロボノや複業を始める方はより一層注意が必要です。個人用PCに会社のデータを保存している場合、情報漏えいのリスクには十分注意を払わないといけません。


また、データ管理だけでなく、会社の資料を転用して複業の仕事を行う、機密情報を話すのはもちろん契約違反で、最悪の場合、懲戒免職、損害賠償などの処罰を受けることもあるので、気をつけましょう。

 

2.両立の難しさ

複業やプロボノでしばしば問題になるのが時間管理です。出勤以外の時間ですべて完了できればよいですが、業務量が膨大になってくると、出勤中にプロボノのクライアントから連絡がきて対応できないなど、手に負えなくなるケースも。複業でもコントロールできる業務量か、依頼を受ける際に慎重に判断しましょう。

 

3.就業規定に違反していないか注意が必要

依然として、就業規則で複業を禁止している企業も存在します。複業の線引きはなかなか難しく、プロボノであっても複業と認定されてしまうケースもあります。始める前に、総務や人事担当者に確認を取りましょう。

ワークライフインテグレーションで進める自分らしさ

複業をする時にぶつかる問題がプライベートと仕事のバランスです。このバランスをとるには、「ワークライフインテグレーション」という考え方が参考になります。

 

ワークライフインテグレーションとは、プライベート(私生活)と仕事の時間を切り分けずに統合して捉え、ライフスタイルを設計する考え方です。ワークライフバランスでは、双方のバランスを調整しプライベートも仕事も両立させるという考え方ですが、いずれかに偏った場合は、どちらかを犠牲にしなければなりません。

 

しかし、ワークライフインテグレーションは、プライベートと仕事の境界線をなくし、「生き方」という大局的な視点で捉えるため、より個々の事情や趣向に即した柔軟な働き方が実現できます。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

 

関連記事:ワークライフインテグレーション |毎日の景色を変える働き方

終わりに

プロボノは、ボランティアと違い、自分の専門領域を活かしながら、社会貢献をすることができます。これから副業する、フリーランスを目指す方も、一つの実績を作り上げることができ、ファーストステップとしては非常に最適です。今は、プロボノマッチングサービスやサイトも多数あるので、ぜひこれを機に一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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この記事を書いたひと


俵谷 龍佑

俵谷 龍佑 Ryusuke Tawaraya

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、ランサーズ株式会社等