Z世代に次いで、今後の経済を左右する世代として注目され始めているα(アルファ)世代。2025年には25億人に達し、いずれ消費行動や企業のマーケティング戦略において大きな影響力をもつとされています。

α世代にはどのような特徴があるのでしょうか?ミレニアル世代やZ世代との違いは?今回は、α世代の特徴や価値観をわかりやすく解説します。

 

α(アルファ)世代/ジェネレーションαの意味とは?

α(アルファ)世代とは、2010年以降に生まれた世代を指します。「ジェネレーションα」ともいいます。α(アルファ)世代は、オーストラリアの人口統計学者であり社会学者のマーク・マクリンドル氏が2005年に提唱した言葉です。ラテンアルファベットの最後の「Z」の次にあたる文字として、「α」が採用されました。

 

α世代は、全員が21世紀生まれになる最初の世代になります。α世代の人口は2025年には世界で25億人に達するといわれており、今後の消費行動や企業のマーケティング戦略に大きな影響を与える世代として注目を集めています。

 

α(アルファ)世代/ジェネレーションα|今後の消費行動のカギを握る|mazrica times

 

α(アルファ)世代とZ世代の違い

Z世代は1990年代中盤から2000年代終盤までの世代を指す言葉です。生まれたときから世の中にインターネットが普及していたことから、「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれることもあります。

 

α世代は、スマートフォンやタブレット端末といったデジタル機器の操作はもちろん、学校教育などでプログラミング言語に触れていることもあり、AIやロボットに対する抵抗をほとんど持ちません。

 

またα世代は、社会に対して自分の意見や好きなことをアピールすることに慣れている世代です。TwitterやYouTubeなどで自分の意見を述べたり、ハッシュタグを付けて拡散させたりすることへの抵抗感も、Z世代に比べて低いといわれています。

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α(アルファ)世代とミレニアル世代の違い

α世代のちょうど親世代にあたるのがミレニアル世代です。α世代とミレニアル世代との大きな違いは情報収集の方法です。ミレニアル世代は雑誌や新聞などの紙媒体からインターネットへ移行する過渡期に身をおいた世代です。そのため、用途に応じて紙媒体とインターネットをうまく使い分けることができます。

 

α世代は活字離れが進んでいるだけでなく、時間に対する感覚もシビアです。「タイパ」を重視し、情報収集に時間のかかる雑誌やテレビは好まず、即時性が高くかつ斜め読み・聞き流しができるYouTubeやTikTok、Instagramなどを好む傾向にあります。

α(アルファ)世代/ジェネレーションαの特徴

続いてα世代の特徴を5つご紹介します。

1.ミレニアル世代の親をもつ

ミレニアル世代は、良い体験や価値あるものに対してお金を払う傾向が強く、商品やサービスを購入するまでのプロセスを重視します。くわえて地球温暖化やSDGs、ジェンダー平等など社会問題に関心が強い世代でもあります。少なからずこの価値観がα世代にも影響を及ぼすのではないかと考えられています。

 

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2.小学校でプログラミング教育を受けている

2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されました。これはプログラミング言語を学ぶのではなく、根本の考え方を学習することを目的としています。現状では導入があまり進んでいませんが、「2022年度全国学力テスト」の小6算数では「プログラミング」に関する問題が初めて出題されました。このように、幼い頃から必要不可欠な論理的思考を学ぶことで、AIやICTと共存していける世代となるでしょう。

3.WITHコロナの行動様式に慣れている

ミレニアル世代やZ世代と異なり、物心ついた頃からマスクを付けて生活をする、密にならないように遊ぶ、オンラインでコミュニケーションを取るといった生活様式が根付いてます。今後の価値観形成に大きな影響を与えるでしょう。

4.コスパよりタイパ(タイムパフォーマンス)を重視

タイパ(タイムパフォーマンス)とは、かけた時間に対して得られる成果や満足度を指します。SNSやYouTubeの閲覧や情報発信が当たり前であるがゆえに、膨大な情報にさらされています。例えば、情報収集であれば動画を早回ししたり、記事を飛ばし読みしたりなど、効率を重視する傾向にあります。この傾向はZ世代にも共通しています。

5.多様性と自分らしさを重視する

α世代の育つ時代は、Z世代以前に比べて多様性(ダイバーシティ)を重視します。国籍、出身地、文化の違いはもちろん、恋愛観や結婚観の違い、LGBTQに対する理解なども深いです。「皆と一緒が当たり前」「マジョリティ(大多数)に合わせていれば安心」という感覚は薄く、それぞれの価値観や感覚を尊重し受け入れる傾向があります。

 

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α(アルファ)世代/ジェネレーションαが直面する働き方

α世代が実際に社会人になるのはまだ10年ほど先です。その頃には今では想像もつかないワークスタイルが一般的になっていると予想されます。

リアルとバーチャルの使い分け

今後は、バーチャル空間と現実の境目はあいまいになっていくと予想されます。そのときにどのようにリアルとバーチャルを使い分ける必要があるのか。この問いに対する答えはまだ誰も持っていません。おそらく、α世代が身をもって実証していくことになるでしょう。

仕事に就くよりも、仕事を生み出すことを求められる

インターネットの技術進展や、COVID-19の感染拡大によって、ワークスタイルは多様化しました。α世代が働く頃には、さらに自由度の高いワークスタイルが誕生しているでしょう。また、AIやロボットの進化によって、仕事そのものの概念が変わる可能性も否めません。
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終わりに

未来の消費行動を作るα世代。彼らが社会に出ていくまでにはまだ時間があります。しかしα世代の特徴をチェックすることで、今後のマーケティング戦略にとって重要なポイントが見えてくるでしょう。ぜひ本日の内容を参考にしてみてください。

 

この記事を書いたひと


俵谷 龍佑

俵谷 龍佑 Ryusuke Tawaraya

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、ランサーズ株式会社等