これからの消費を担う存在ということで、マーケティングやビジネスシーンで注目されている「Z世代」。

すでに、2019年時点で世界人口の1/3をZ世代が占めており、消費だけでなく、価値観や働き方、コミュニケーションなど、あらゆる面で影響を与える存在になりつつあります。本記事では、Z世代の特徴について、他世代であるX世代、ミレニアル世代やY世代、a世代などと比較してご紹介します。

 

Z世代(ジェネレーションZ)の定義とは?

Z世代とは、1990年代中盤から2000年代終盤までの世代を指す言葉で、「Generation Z(ジェネレーションZ)」や「GenZ」とも呼びます。2021ユーキャン新語・流行語大賞では、トップ10に「Z世代」がランクインするなど、注目されている言葉です。

 

ミレニアル世代とa世代(アルファ世代)の間に位置する世代であり、デジタルネイティブ、SNSネイティブとして以前の世代と一線を画しています。

他の世代の違い【X世代/ミレニアル世代/Y世代/a世代】

Z世代以外にも、X世代、ミレニアル世代、Y世代、a世代など、さまざまな世代の呼び方があります。それぞれ違いを解説します。

X世代

1960年代半ばから1980年代生まれまでの世代を指す言葉です。X世代という言葉は、カナダの小説家であるダグラス・クープランド氏が書いた『ジェネレーションX―加速された文化のための物語たち』で使われたのが始まりであると言われています。このX世代を起点に、アルファベットによる世代の名称が付けられるようになりました。

 

ミレニアル世代

1980年から1990年後半に生まれ、2000年以降に成人になった世代を指します。インターネットの黎明期から世間一般に浸透するまでの過渡期の時代を生きているため、Z世代と同じく、デジタルに慣れ親しんでいます。

Y世代

Y世代は、1970年代後半から1990年代半ばに生まれた世代のことを言います。ミレニアル世代とも重複するため、区別されず一括りにして定義するケースもあります。日本では「就職氷河期世代」、「ロスジェネ世代」とも。

a世代

2010年以降に生まれた、もっとも新しい世代のことを指します。ミレニアル世代やY世代を親に持っており、2025年を迎える頃には、世界合計で20億人に到達すると推測されています。Z世代に次いで消費行動に大きな影響をもつ世代として注目されています。

Z世代(ジェネレーションZ)が注目される理由

なぜ、これほどまでにZ世代が世界的に注目されているのでしょうか。その理由の1つに挙げられるのが、消費行動への影響力の大きさです。国連が調査した統計によれば、2019年時点で世界の総人口78億人のうち、32%をZ世代が占めており、ミレニアル世代の人口比率31.5%を超えています。2025年にはZ世代にあたる人口は23億人ほどに到達すると言われており、その影響力ははかり知れません。

 

また、幼い頃からデジタルデバイスを日常的に使用しており、「デジタルネイティブ」、「SNSネイティブ」として、その発信力の高さに注目が集まっています。

日本のZ世代(ジェネレーションZ)は全人口のわずか3分の1

日本は、知られているように超高齢化社会に突入しています。2022年時点で、Z世代は全人口のわずか13%しか存在しません。国内においては、Z世代よりも数が多いシニア世代(65歳以上)を対象に事業構築した方が短期的な目線では成長を描けるかもしれません。

 

しかし、グローバルな視点で見たときには、今後の消費行動や価値観を担うのはZ世代、そしてその次世代となるa世代です。Z世代の価値観や消費行動を踏まえた施策を考えることが、今後の事業維持継続には欠かせないでしょう。

Z世代(ジェネレーションZ)の特徴

Z世代は、他の世代と一線を画した特徴を持ちます。ここでは、働き方・仕事、価値観・考え方、消費行動・購買行動、情報収集の方法に分けて解説します。

Z世代(ジェネレーションZ)の特徴1.働き方・仕事

年功序列、終身雇用といった旧来のキャリア観が大きく変わり、会社で大きく出世をするという路線以外の選択肢にも目を向けています。会社を選ぶ基準としては、給料やキャリアアップよりも、会社のビジョンや社会貢献性などに強く共感する傾向にあります。

 

また、残業や長時間労働の常態化などの問題から働き方改革が実施され、副業やリモートワークを筆頭に多様な働き方が生まれました。そのため、Z世代は正規雇用で就職という選択肢だけでなく、フリーランスや派遣社員、または「UberEATS」などのギグワークを駆使しながら、複数の会社でアルバイトをするなど、自分に合った働き方を模索できます。

 

関連記事:リモートワークとは|新しい働き方のメリットと潜む問題点について

 

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Z世代(ジェネレーションZ)の特徴2.価値観・考え方

Z世代は、バブル崩壊後のデフレ経済下で過ごしています。さらに、リーマンショック、東日本大震災など、経済を不安定化させるような局面を経験していることもあり、現実主義で、保守的な側面を持っています。

 

また、小さい頃から学校教育でダイバーシティ、サステナブルなどを学習した「SDGsネイティブ」であり、環境問題や人種差別といった社会問題に感度が高いです。

 

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Z世代(ジェネレーションZ)の特徴3.消費行動・購買行動

Z世代は「デジタルネイティブ」、「SNSネイティブ」と呼ばれ、日々多くの情報に触れています。そのため、自分に必要な情報を選別する能力に長けています。インターネットの検索で得た情報だけではなく、SNSやYouTubeによる口コミ、身近な人の評判などをもとに多角的に判断します。また、コストパフォーマンスよりも、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する傾向にあります。

Z世代(ジェネレーションZ)の特徴4.情報収集の方法

ネオマーケティングがZ世代6000人を対象に行った調査によれば、「普段どのような手段で情報を収集しているか」という質問に対し、ダントツで多かった回答が「SNS」で79.8%でした。次が「テレビ」で65.0%、「Webメディア」が46.3%でした。また、「相談がある場合、誰にしているか」という質問では、高校生、大学生、社会人どのカテゴリにおいても、「友達」ではなく、「母親」がもっとも多い結果となっています。

参照:もっと知りたい、Z世代。 ~情報・人との接し方とは~

終わりに

Z世代は、不況の時代を生きているため、より安定志向で現実主義な考えを持ち、また学校教育で、ダイバーシティ、サステナブルなどに関する事柄に触れてきていることから、人権意識や環境保全を尊ぶ傾向にあります。

 

とはいえ、Z世代のなかにも多様な価値観や考えをもつ人がいるため、一括りにできません。しかし、大きな傾向として把握をしておくと、マーケティングや事業活動などにおいて、有用となるでしょう。ぜひとも本日の内容を参考にしてみてください。

 

この記事を書いたひと


俵谷 龍佑

俵谷 龍佑 Ryusuke Tawaraya

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、ランサーズ株式会社等