皆さん、こんにちは!

マツリカHRでエンプロイー・サクセス(社員の成功)の実現を目指す佐藤利博です。マツリカネームはCapといいます。

マツリカは、「世界を祭り化する」というミッションを掲げ、人とテクノロジーの力を掛け合わせ、もっと自由で、創造的で、充実したワークライフをこの世に生み出すべく、日々社員一丸となって“祭り化”しております。

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“祭り化”は私たちの社名にもなっている、私たちがとても大切にしている概念であり言葉です。

この連載では、“祭り化”について徹底解説していきます。マツリカのカルチャーを少しでも身近に感じていただき、皆さんのワークライフの祭り化に貢献できれば幸いです。

前回までのコラムもぜひご覧ください!

▼マツリカが目指す祭り化とは?

▼“祭り化”条件その① 自ら掲げた明確な目標が僕らを祭り化させる

“祭り化”条件その② その取組み自体に興味があり、楽しいと感じること

はじめに、祭り化するための6つの条件を思い出してみましょう。

こちらです!

<祭り化するための6つの条件>

  1. 1.自ら掲げた明確な目標があること
  2. 2.その取り組み自体に興味があり、楽しいと感じること
  3. 3.近い距離感でその取り組みに関わっていること
  4. 4.結果を明確にすること
  5. 5.リスクある環境に身を置くこと
  6. 6.分かち合う仲間がいること

連載3回目となる今回は、祭り化するための2つ目の条件「その取組み自体に興味があり、楽しいと感じること」についてお話していきます。

「そのこと自体が楽しい!」という気持ち

最初に少しだけ子供の頃を思い出してみてください。

何か習い事はしていましたか?
水泳でも書道でもピアノでも何でも構いません。
こんなことはありませんでしたか?

最初は親に言われてイヤイヤやっていた習い事。

「練習イヤだな~。出来ることなら行きたくないな。」と思いながらも、なんだかんだで通っている。練習はつらいし、時に厳しい指導もされるし、正直しんどい。

でも真面目に通っていると、コーチが褒めてくれたり、親がご褒美を買ってくれたりするのでなんとか踏ん張れる。その瞬間は気持ちも高まり、もっと頑張ろうと思える。

そんな気持ちの上がり下がりがありながらも、一定期間継続していると不思議なことにそんなに嫌ではなくなっている。さらに、上手くなったり達成したりすることが嬉しくて、自ら頑張るようになっている。

その結果、気付けば習い事自体が楽しくなっている。

水泳なら、記録を更新することはもちろん嬉しいけれど、泳ぐこと自体が楽しい。
書道なら、昇段することは誇らしいけれど、それ以上に書に真正面から向き合うことが心地良い。

どうでしょうか。少なからずこういった経験があるのではないかと思います。
まさにこの状態を突き詰めた先に“祭り化”があります。

いまお話した習い事の例は「外発的動機づけと内発的動機づけ」という観点で整理することができます。

外発的動機づけによる負のスパイラルに注意!

外発的動機づけというのは、簡単に言うと「アメとムチによる動機づけ」です。

上の例でいうならば、親の叱咤やコーチの厳しい指導はムチ、親のご褒美やコーチに褒められることはアメです。
もちろん自分の意志で頑張った部分も少なからずあるはずですが、これら外部からのアプローチがあったから頑張れる部分も大きいと思います。

このような外発的動機づけは、一般的に「即効性はあるものの長期的に見るとマイナス面もある」といわれています。

報酬を得ることや罰を避けることが目的になることで、行為そのものが「目的」ではなく「手段」にすり替わってしまう可能性があるからです。
そうなるとその行為自体を突き詰めようという欲求が働かなくなってしまいます。

もっというならば、「サボる」「手を抜く」ということが起こりえます(その行為を手段として捉えると、手軽に目的である報酬を得られるほうがよいという考えが起こり得るため)。

そしてその状況を回避するためには、外的報酬や罰を与え続けなければなりません。
加えてその効能も少しずつ低減すると考えると、負のスパイラルにはまってしまうことが容易に想像できます。

高いパフォーマンスにつながる内発的動機づけ

一方、内発的動機づけというのは、そういった外部の強制力によるものではなく「内から湧いてくるモチベーション」のことです。
外的報酬の代わりに、その行為をすることで得られる満足感や達成感、充実感が報酬になるということです。

上の例でいうと、「泳ぐこと」「書に向き合っている時間」自体に喜びを見出しているのは、内発的に動機づけられているということになります。

内発的動機づけは、行為それ自体が「目的」となっています。
だからこそ、その行為に夢中になり得る、没頭し得るのだと思います。

また行為そのものが「報酬」でもあるので、リソースは無限ともいえます。
自己生成できるので正のサイクルも回りやすく、長期的に見た時には内発的動機づけをうまく用いるのが大切です。

また、内発的動機づけによる行動は、外発的動機づけよりも高いパフォーマンスと成果をもたらすといわれています。(学術的な説明は専門家の方々にお譲りしたいと思います。興味を持って頂けた方は諸々のモチベーション理論に直接触れて頂けますと幸いです。)

このように書くと「外発的動機づけ<内発的動機づけ」と認識されそうですが、個人的には状況次第で、使い分けをするものだと考えています。

外的報酬というのは金銭報酬や地位報酬のような有限リソースだけではありません。周囲からのフィードバックや激励・承認などの無限リソースも、立派な外的報酬になります。

外的報酬(外発的動機づけ)を上手く活用するポイントは、「外発的動機づけを内発的動機づけを引き起こすトリガーにすること」です。そして「報酬を与えて終わり」という状況にしないということが大事です。

“祭り化”のためには外発的動機づけ<内発的動機づけ

先述の通り、外発的動機づけと内発的動機づけは、状況次第で使い分けをするものですが、「祭り化のために必要な条件」という観点で考えるなら、間違いなく「外発的動機づけ<内発的動機づけ」となります。

外発的動機づけにより動かされている状態を祭り化とはいいません。

その行為そのものが楽しくて、だからこそもっともっとエネルギーを注ぎたくなるし、もっと頑張ろうと思える。そのゴールデンループが無意識に回っている。このように内からみなぎるモチベーションが、祭り化の必要条件なのです。

黄色い壁の前を歩く女性

目の前のことにどのくらい興味を持っていますか?

さて、これまで述べてきた、「内発的に動機づけられて、心から楽しいと思っている状態」というのは、すでに行動に至っていますが、そもそもその行動に至るまでには、認知の壁、理解の壁、興味の壁という3つの壁があると考えています。

認知の壁

当たり前ではありますが、そもそも「存在を知らない」状態では行動を起こすことができません。

たとえば、格闘技を始めようとした場合、選択肢になるのは「知っている格闘技」です。空手、ボクシング、キックボクシング…。そこで新たな格闘技を知ると、それが選択肢として加わります。なるほどシステマっていう格闘技もあるんだな、どういうものなのかな…という感じですね。

認知して初めて行動に移す可能性が生まれます。

理解の壁

そして、「分からない」ことに対して、人は行動するのをためらいます。「内容を知らない」と判断が難しくなるということです。

システマという格闘技が「ロシアの軍隊格闘術で護身術として一般向けにも教えられている」ということを知っているのと知らないのとでは判断が変わってきます。

興味の壁

加えて、自分自身の「興味がそそられない」のであれば、それもやっぱり好んで行動は起こさないよね、ということです。

システマについてどれだけ詳しく理解したとしても、そもそも護身術に興味を持てなかったり面白味を見出せなかったりするならば、最終的にシステマをやってみようとはならないですよね。

理解の壁を越えて祭り化へ

これら行動に至るまでの3つの壁は、行動促進のポイントとして考えることもできます。

「存在を知ることで…」、「内容を理解することで…」、「興味が湧いたことで…」、ある行動が後押しされる。そして、私は3つの壁の中でも「理解の壁」を超えることが大切だと感じています。

情報社会である昨今、私たちは日々たくさんの情報に触れています。膨大な情報に触れるので、なんとなく目にしたり耳にしたりすることは多い。つまり、「認知の壁」は低くなっています。

また「興味の壁」はコントロールが難しいものです。その人の価値観やその時の状況によって「変わるもの」ではあっても、「意図的には変えにくい」ものだと思います。

興味の壁とは逆に、自分でコントロールできるものが「理解の壁」です。

世の中は知っているようで知らないことが多い。そのため、本当の醍醐味を知らないものも多いのではないでしょうか。また、深く知ることで、これまでなんとも思っていなかったことに面白味を見出す可能性もある。私はそう思うのです。

理解する喜びは知的好奇心を満たすということだけではなく、目の前の事象に深みや味わいをもたらします。理解の壁を超えることは、認知したものを活かし、興味を深めることにつながります。

終わりに

以上のことを踏まえ、改めて本題である祭り化について考えます。


“祭り化”条件その②は「その取組み自体に興味があり、楽しいと感じること」でした。

目の前の事象に対する理解を深めること。つまり、なんとなく知っているものに対して、もっと深く理解しようとする姿勢こそがポイントになります。その姿勢が興味と行動を生み出し、行動の中で有能感や自己決定感が満たされる。その結果として内発的に動機づけられ、どんどん夢中になっていく。

“祭り化”条件その②は、このような素敵なサイクルが回り続けている状態を表しているのです。皆さんは自分のこと、仕事のこと、会社のこと、本当の意味で理解できていますか?

このコラムがみなさんのワークライフの祭り化に少しでも貢献できれば幸いです!

次回は“祭り化”条件その③「近い距離感でその取り組みを行っていること」についてお話したいと思います。

乞うご期待ください!

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この記事を書いたひと


マツリカHR佐藤利博

株式会社マツリカHR

佐藤 利博
Toshihiro Sato


近畿日本ツーリスト株式会社にてMICE事業に従事した後、株式会社リンクアンドモチベーションに転職。リーディングカンパニーを中心とした大手企業への組織人事コンサルティングを担当。以降、マネジャー職を歴任。2015年 マツリカを共同設立。「祭り化」という概念を世の中に広め、世界を祭り化すべく日々奮闘中。