新型コロナウィルスの感染拡大により、テレワーク、副業、ギグワークなど、さまざまな働き方が生まれています。ペイミーでカスタマーサクセスとして働く門野さんもその一人です。新型コロナをきっかけに、自身のスキルやノウハウを会社の外で発揮したいと思うようになり、副業・転職のキャリアSNSである「YOUTRUST」をとおして、副業という働き方にチャレンジしています。本記事では、門野さんに副業で必要なマインド、キャリアに与える可能性などについて詳しくお話を伺いました。
組織の外で、自分のスキルが通用するのか知りたかった
ーー現在のお仕事や経歴について、簡単に教えてください。
学生時代に、長期インターンで株式会社ユニラボへ入社し、営業業務をおこなっていました。新卒でユニラボに入社してからは、カスタマーサポートを担当、その後、代表から人事業務を引き継き、一人人事として人事部の立ち上げをしました。2020年4月にPayme(ペイミー)に転職してからは、カスタマーサクセス(以下CS)とHRを兼任してます。
ーー副業マッチングのサービスを始めてみようと思ったきっかけは?
ペイミーに入社したタイミングが、ちょうどコロナウィルスが感染拡大し始めたころでした。ペイミーが、給与即日払いサービス・給与前払いサービスということもあって、飲食業のお客さまが多いんですね。緊急事態宣言下で、クライアントの飲食店はほとんど休業してしまっていて、弊社もその影響を受けました。今後どうなってしまうのかという不安と、自分のスキルを組織の外で活かしたいという思いが芽生え、副業を始めました。
CSで副業をしようかとも考えましたが、はじめて日が浅いし、このまま人事経験を眠らせておくのももったいないということで、CSを本業、HR業務を副業ですることにしました。副業サービスを探し始めた矢先に、副業・転職のキャリアSNSである「YOUTRUST」からMIL(ミル)をご紹介いただき、ジョインしました。
ーーもともと、YOUTRUSTとはお知り合いだったんですか?
ちょうど人事業務で悩んでいるときに、前職の人事部長からYOUTRUST代表の岩崎さんをご紹介いただき、知り合いました。YOUTRUSTのサービスも利用していましたし、採用面で相談に乗ってもらっていました。
ーーYOUTRUST以外の副業サービスは見ていたんですか?
他のサービスを使うことは考えてなかったですね。YOUTRUSTが「友人の友人」まで、副業・転職意欲を見れる機能が、個人的には良いなと思いました。まったく新規の会社よりは、込み入ったお話もできますし。
ーーなるほど、たしかにそれはそうですね。今の副業マッチングサービスを利用する前に、なにか副業はされていましたか。
前職が副業禁止だったので、ボランティアでコミュニティリーダーやモデレーターをしていました。こういった活動をはじめたのは興味や好奇心もありましたが、当時、ユニラボがまだスタートアップで知名度がそこまで高くなかったこともあって、イベントに登壇したり、Twitter でフォロワーを増やしたりして、認知を高めたいと思っていました。
中核業務を任せてもらえてやりがいを感じる反面、責任も大きい
ーー副業マッチングサービスを利用してみて良かったこと、ギャップはありましたか?
最初は、採用業務の一部をお手伝いする感じでスタートしました。先方の企業は規模も小さく、人事担当者もいなくて、代表がHR業務を兼任していました。そのため、私がエージェントや媒体との打ち合わせに出席したり、予算調整の交渉も主導で進めたりと、中核業務を任せていただけました。
はじめは、土日や平日の昼や夜の空いた時間で対応できると思ったのですが、日中のコミュニケーションも増えてきて、予想よりもヘビーだったというギャップは良い面でも悪い面でもありましたね。先日、代表やCFOの方とミッション、ビジョン、バリューを策定する機会があって。まさか副業でここまで任せてもらえるなんて、うれしい反面、責任重大だなと感じています。
ーー今現在、副業の稼働時間はどのくらいですか?
初めは月30時間でしたが、最近は社員の方にも協力いただいて、今は週4時間くらいですね。土日に集中して業務をおこない、残りは平日の昼間に少しずつ業務をしています。候補者との連絡やすり合わせが多いですし、スタートアップで状況もコロコロ変わるため、臨機応変に対応しています。
ーーもう少し、副業のメリット・デメリットについて教えていただけますか?
最初は、私のスペックで副業先が見つかるのかなと思っていました。人事経験は新卒の会社だけだし、たまたまそこでうまくいっただけで、他社の事業内容を理解をして、HR業務が務まるのか不安でした。しかし、実際やってみたら採用面で結果を出せて、とてもやりがいを感じています。サービスが違っても結果を残せることがわかったし、今まで私が取り組んできた人事の経験を求めている方がいることを確認できて、すごく良い体験だったと思います。
その反面で、これは私のスキル不足なのですが、本業と副業どちらも忙しい状態になると、バランスをとるのが難しいときがあります。リモートだったので、だれにも相談できずにひとりで抱え込んでしまうときもありました。今は自分から「厳しいです」とSOSを発信できるように心がけています。
ーーサービスを使う側にもそういう心がけやスキルが大事ってことですね。
そうですね。安請け合いしないのも大事かもしれません。「ここまではできるけど、ここまでは決めて欲しい」ということを提案して、業務が円滑に進むように気をつけることが必要ですね。
新卒一年目の方から、副業の相談を受けるのですが、ある程度の社会経験がないと副業で成果を出すのは難しいと伝えています。副業先の企業も手探りで依頼していることもあるので、自分のスタンスや特性を伝えて、細やかにコミュニケーションを取り続ける必要もあるし、本業とのバランスや優先順位も考えなければいけないので。
副業だからこそ、「時差」を感じさせないコミュニケーションが大切
ーー副業を円滑にすすめるために、大切にしていることや意識していることはありますか?
わからないことや違和感を抱いたときには、はっきりと自分の意見を伝えるようにしています。たとえば、あまり現実的ではない採用要件だったときは、「このターゲットの市場では、年収設定を見直さないと採用が難しいです」とか。
また、「数字が苦手なタイプです」と不得意な部分を伝えたり、業務が忙しくなると業務の漏れが発生する可能性もあるので、あらかじめ「急ぎの仕事は期限付きで連絡ください」と伝えています。
積極的に情報を取りにいったり、相手の話をしっかりと聞いて、ハッキリと自分の意見を伝えたりと、コミュニケーションを重ねることが大切かなと思っています。
ーーCSで培った経験が副業で活きた事例やエピソードがあれば教えてください。
同じくSaaS事業の会社で副業したというのもあって、業務理解がスムーズに進みました。営業やCSの募集要件をすり合わせる際にも、THE MODELをベースにしていたり、自社のCSに通ずる業務もあったりして、会話がスムーズにできたとともに書類選考の際にも活きたと感じます。
ーー反対に、副業での経験が本業に活きたことってなにかありますか?
副業先でミッション、ビジョン、バリューの策定に携わらさせていただいたことが、本業の方でも考えさせられるきっかけになりました。人数規模が同じくらいの会社でもあるので、組織が持つ課題が近く、どうすれば同じ方向に進んでくれるのか。メンバーの育成について考え直すきっかけになりました。
ーー今回、副業をしてみて、キャリアの可能性はどのように拡がりましたか?
キャリアのかけ算は、希少性の意味でも重要と理解していたのですが、他社で通用するのか、なかなか実際に試す機会がなく、今回の副業の経験が自分のスキルを試す良い機会になりました。
また、業務面でも顧客のサクセスと採用や従業員のサクセスは似ている部分があると感じ、CSの業務がHRで活きることが多いという学びを得ています。考え方やデータのため方などHRで改善すべきポイントも見つかったので、本業にも副業にも良い還元ができるよう、これからも進めていきたいです。
ーー今後の展望について教えてください。
今後は、副業でHR以外の分野にもチャレンジしたいです。また、コロナでリモートになったのをきっかけに、もう少し都心から離れた場所に引越したいと思っています。以前は、会社にすぐ行けて、すぐ働けることが重要でしたが、今は自然が豊かで、快適に働ける広い家に住みたいなと思っています。
ーー最後に、副業したい方、副業を通してキャリアアップしたい方へメッセージがあればお願いします。
副業というと、「今までのスキルの切り売りだよね」といわれることもありますが、副業で得た知見は本業にも活きると思っています。
とりあえず、迷ってるなら副業先を探してみてチャレンジするといいと思います。探してみたら新しい出会いもあるし、逆に今の本業のキャリアでは副業がしにくいみたいな気付きも得られるかもしれません。それもまた重要かなと。自分のキャリアは思わぬできごとや出会いで育つと思うので。
この記事を書いたひと
俵谷 龍佑 Ryusuke Tawaraya
1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、ランサーズ株式会社等