「マツリカンの声」では、多様なバックグラウンドをもつマツリカのメンバーにマイクを向け、生い立ちやスタートアップに入った経緯、現在の活動、それぞれの個性的な働き方などを多方面から取り上げていきます。


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第4回は、東大卒業後、新卒で当時社員数16名だったマツリカに入社し、現在は24歳にしてマーケティングチームを統括する伊藤佑介さんにお話を伺います。


―マツリカでは「リバ」の愛称と、愛らしい一方毒のある素敵なキャラクターで愛されている伊藤さん。本日はよろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。

最強の図鑑を作りたかった

―リバさんの子供の頃について教えてください。ご出身はどちらですか?

生まれはニューヨークです。父の仕事の関係で1歳になる前に東京に来ました。
残念ながら、英語はTOEIC990点満点中200点です。

―990点満点200点ですか?

試験中に時計のカチカチという音が気になって、途中で「体調悪いので帰ります」と言って帰ってきちゃいました。

―(笑)子供の頃好きだったことを教えてください。

図鑑を読むのが好きでした。哺乳類とか、魚とか、虫とか。

でも、何回も繰り返し読んでいると、知っていることしか載っていない図鑑になるじゃないですか。なので、哺乳類だったら、いろんな出版社から出ている哺乳類の図鑑をたくさん買って、それぞれの図鑑に書いてあるすべての情報を集めて、最終的には「自分で最強の図鑑を作りたい」と思っていました。

―最強の図鑑ですか!

そうなんです。

最強の図鑑を作りたかったので、親に動物園に連れて行ってもらって、図鑑用の写真を撮りまくっていました。その写真とたくさんの図鑑から集めた知識を詰め込めば、いままで読んでいた一つひとつの図鑑よりも優れた、最強の図鑑が作れると思っていたんです。

だけど、完成させることはできませんでした。

―どうして完成させられなかったんですか?

完成させられないまま子供の時代が終わってしまいました・・・

大手企業の内定を蹴り新卒でスタートアップへ―価値貢献できる自信がありました。|mazrica times|1

―(笑)中学生の頃はどんな生徒さんだったんですか?

周りの子が聞いてるJ-popは聞かずに、専門家や評論家から高く評価されている洋楽を聞いたりしていました。そのほうが音楽を分かってる感があると思って(笑)

―男子中学生あるあるですね(笑)子供の頃の夢は?

小学校の頃の夢は、動物図鑑を作っていたのもあって動物博士になることでした。でもそのあと動物熱が落ち着いてくると同時に音楽にハマって。

その頃からはこれっていう将来の夢はないんですけど、子供の頃からいままでずっと、その時その時で興味のあることを徹底的に調べることは好きでした。

―高校生になってもそれは変わらず?

そうですね。動物、音楽ときて、高校時代にハマったのが世界史です。

受験の時って、世界史の教科書に書いてあることだけじゃなく、用語集に書いてあることや資料集に書いてあることも覚えろって言われるじゃないですか。それなのに、なぜ世界史の教科書に情報が集約されていないんだ!知識が一元化されていないんだ!って思ったんです。

だから、教科書の行間に、授業の板書や用語集の解説、資料集に書いてあること、自分で作った年号を覚えるための自作の語呂も全部書き込んで、「これさえ読めば受験に必要な情報が全部手に入る教科書」を作りあげました!

―幼稚園・小学校に挫折した動物図鑑を作るという目標が、高校生になって、形を変えて遂行されたんですね!

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/ リバさんが作り上げた「これだけあればいい!最強の世界史の教科書」 \

―そして大学は東京大学に進学されたんですよね。

はい。最初は別の国立大学を目指してたんですけど、オープンキャンパスに行ってみたらイメージと違って。そのあと東大の学園祭に行ったら、可愛い女の子もたくさんいてキラキラして見えたんです。だから東大に行きました(笑)

―入ってみてどうでした?

学園祭に来ていた女の子たちは東大生じゃなかったです(笑)

―(笑)大学では哲学を学ばれていたんですよね。

はい。2年生になる時に本人の希望と成績で専攻が決まるんですけど、世界史を勉強しているときから哲学には興味があったんです。だから哲学で希望を出しました。

―世界史の中の哲学的要素というのは?

受験のための世界史の授業では哲学まで踏み込まないと思うんですが、たとえばデカルトの『方法序説』がどんなことを言っているのかが気になって、辞書で調べてたんですよね。

デカルトの有名な言葉に「我思う、ゆえに我あり」というものがあるのですが、これは「世界のあらゆる存在は疑いうるが、今このように疑っている自分の思考が存在していることだけは揺らぐことのない事実である」という意味です。

今まで当たり前のものとしていた、存在そのものを疑うという考え方が、高校生の時の僕にとって新鮮でした。あと、哲学の思想は応用できるとも感じましたね。

―応用できるというのは?

自分に応用できるということです。哲学で言われている考え方を自分に取り入れることで、自分の考え方の範囲を広げられると思いました。

就職活動での挫折

―マツリカでインターンすることになった時は、大手企業から内定が出ていたんですよね?リバさんの就活について教えてください。

実は、就活で挫折してるんです。
大学4年の時の就活で失敗して、大学を1年留年しました。

最初の就活は、本を読むのが好きだったので出版社を中心に受けました。だけど採用人数は少ないし、そのための準備もまったくしてなかったので全部落ちて、慌てて色々受けたけどうまくいかず、結局大学を1年留年しました。

翌年、2回目の就活では、好きなことは好きなこと、仕事は仕事という考え方に変えて、自分がバランス良く生活できる会社に就職したいと思って活動しました。その中で、大手メーカーから内定をもらったんですけど、実はその就活にも納得がいかなかったんです。

―内定先にですか?

就職活動全体に納得がいきませんでした。僕が就活していた2017年は売り手市場だったんです。その中で、周りの友人や就活で出会う学生たちは、みんな自分より良い会社に内定をもらっているように見えました。自分ほど就活に失敗している人はいないなって。

―内定先の企業はどうだったんですか?

懇親会やOB会に参加した時に、30代とか40代の社員の方が、自社の方針も分からないままなんとなく働いているように感じて、そのことにも不安を感じました。

―なるほど。それが就活での挫折なんですね。

でも、自分はもっとやれるはずだっていう気持ちがあったんですよね。

面接とか就活に関してのパフォーマンスは低いのかもしれないけど、実際に働いたら会社に対して価値貢献できるという自信はあったんです。

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「次の転職のため」に始めたマツリカでのインターン

―インターンを始めたのはどうしてですか?

就職面接を受けて落ちた外資系のIT企業が何社かあるんですけど、社員の方が生き生き、キビキビと働いていて、こういうところで働きたいと思ったんですよね。

なので、内定先の会社で2、3年働いたあと、そういった会社に転職しようと考えました。

その転職の準備として、インターンをすることにしたんです。

―なるほど!それで、どうしてマツリカだったんですか?

当時は、SaaSっていうものも知らなくて、Fintech、AI、クラウドっていう単語だけ知ってたんです(笑)なので、マツリカの前にFintech系の会社でインターンをしました。実際働いてみて、Techの波が本当に来ているんだと感じました。

そして、その次はAIだ!と、WantedlyでAI関連の企業インターンを調べて出てきたのがマツリカでした。

―マツリカでインターンをすることにした決め手は?

前のインターン先で使っていたSFA(クラウド営業支援システム)がすごく使いづらかったんですよ。そこで、SensesというSFAを提供しているマツリカにも興味が持ちやすかったんです。自分が感じた課題を解決しようとしている会社なんだな、と。

―インターンをはじめた時のマツリカはどんな雰囲気でしたか?

当時は人数も16人しかいなくて、すごくフレンドリーな雰囲気でしたね。いまはもっと会社っぽくなりましたけど、当時はサークルみたいな雰囲気がありました。

―最初はマーケティングではなくてSDR(インサイドセールス)をやってたんですよね。

はい、そうです。Sensesのことを分かってない状態で、入社3日目に電話番号のリストを渡されて。

―その時はどう思いましたか?

インターンを「理想の転職をするためのスキルアップ」と捉えていたので、どんな仕事でもやろうと思っていました。あと、前職のインターンでも飛び込みのテレアポをやっていたので、それよりは圧倒的に分かりやすいリストだったんですよ。だから、なんて優しいテレアポリストなんだ、と思いました(笑)

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大手企業の内定を捨て、マツリカ入社

―そしてそのままマツリカで正社員になったんですね。大手企業の内定を蹴ってマツリカに入社した理由を教えてください。

その時は「理想の転職をするために2、3年働いてスキルアップする」と考えていたので、内定先とマツリカで、働いている人の様子や仕事の粒度を比較してみたんです。その結果、マツリカのほうがより自分の価値を高められると感じたので入社を決めました。

―入社してからの担当業務を教えてください。

インターンとしてインサイドセールスを4か月やったあと、正社員になったタイミングでマーケティングとの兼任になりました。スキルアップを目的としたときに兼務は嫌だったので、自分の代わりにインサイドセールスを担当してくれるインターンの方を採用して、マーケティング専任になりました。

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―現在の役割を教えてください。

マーケティングチームのチームリードをしています。チームメンバーは社員3人、インターン3人の合計6人です。

―6人をまとめる苦悩やプレッシャーはありますか?

めっちゃあります(笑)

マーケティング特有のプレッシャーでいうと、会社全員で稼いだお金を使って施策を打つので、費用対効果に責任を持つというプレッシャーがあります。

あとは単純に、年齢が若く経験も浅い中でチームリードを担わないといけないということで、別の意味のプレッシャーも感じますね。

―チームメンバーの育成などはどのようにしていますか?

メンバーがみんな自分より経験があり、それぞれ専門分野を持ったプロフェッショナルなので、今は育成というよりも、みんなの持っている能力を活かしてどんな施策を打つかということを考えています。

あとは、マーケティングの前後、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスとのコミュニケーションをしっかり取って、マーケティングのリードがちゃんと成果につながっているかを確認する、ということに注力しています。

-BtoBのSaaS、プロダクトのマーケティングという仕事の魅力は?

やったことの結果を数字で見られるところが好きですね。ビフォアフターで何%変わったかというのがはっきりわかる。それは自分の価値の証明にもなるので。

結果が測れない仕事は振り返りが難しいし、次の施策に繋げづらいんです。だからそういうものをできるだけ排除したいという気持ちがあって、マーケティングは結果を全て数値化できるので好きですね。

―インプットとしてやっていることがあれば教えてください。

マツリカと同じようなBtoBベンチャー界隈で影響力のある人をフォローしています。その人の発信しているものや書いているものを読んで、自分自身の業務に落とし込んでいます。

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新卒でスタートアップに就職したホンネ

―スタートアップに新卒入社して良かったことは?

1年目だから、新卒だから、という扱われ方をしないので、提案から実行までまかせてもらえる環境があることですね。

意見が通りやすい、風通しが良いというだけでなく、実行まで自分でできるのがスタートアップの良いところだと思います。

僕が入社した頃、社内で電源アダプタや充電器の借りパクが横行していたので「借りパクやめましょう」と全体のSlackで発言しても許される環境がありました(笑)

―逆に、新卒でスタートアップに就職する大変さはどういうところでしょう?

入ればいいってもんじゃないです。

自分が成し遂げたいこと、得たいスキルをちゃんと考えて、自分で仕事をつかみにいって、実行まで担う覚悟を持たないといけません。それで会社が応えてくれるかどうか、というのがスタートアップの環境だと思います。

大手企業だったら、人事が20代の若手の今後のキャリアプランを考えてくれるかもしれない。だけど、スタートアップは会社が個人のキャリアプランまでは考えてはくれません。

自分で人生のInitiativeをとって、自ら仕事をつかみ取りに行ける人じゃないと大変だと思います。

―リバさんの今後の目標を教えてください!

目標というか、最近意識していることはあります。

人間の欲望は数値化できないものなので、明確なゴールはないんですけど、仕事に対する満足度、挑戦している感覚、趣味の充実など、自分の生活を円グラフで表したときに、自分がいちばん幸せで満足度が高いバランスを追及することです。

そのために、自分の足りない部分を認識してその部分を埋める努力をし、そこが埋まったらまた次の足りない物を埋められるように努力する、という作業を繰り返しています。

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―スマートで合理的、挫折と苦悩、根底にある芯の強さ、色々なリバさんの横顔をインタビューから垣間見ることができました!ありがとうございました!


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