連載「マツリカで働く」では、 マツリカの各チームのキーパーソンに、チームで大切にしているマインド、求める人物像などを聞いていきます。
今回は、カスタマーサクセスチームでチームリードを担う中谷さんに、マツリカのカスタマーサクセスの仕事についてお聞きしました。
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カスタマーサクセスの仕事について
―はじめに、カスタマーサクセスの仕事内容について教えてくださいカスタマーサクセスの役割は大きく2つあります。1つは、顧客の営業成果を最大化すること。カスタマーサクセスは、顧客の営業成果を最大化するために、契約後の導入支援や活用状況のモニタリングを行い、顧客がツールを利用する中で生じる課題に先回りしてアプローチします。顧客の課題解決を先手先手で支援し、成果を上げ続けるために並走するのです。
もう1つは、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)(※)の最大化です。マツリカが提供するクラウド営業支援ツール「Senses(センシーズ)」のようなSaaS(Software as a Service)の場合、契約を継続していただくこと、さらには、アップセル(※)・クロスセル(※)などで顧客単価を上げることでLTVの最大化を図ります。これらを担うのがカスタマーサクセスです。
※LTV(顧客生涯価値)とは
顧客と企業が取り引きを始めてから終わるまでの期間(顧客ライフサイクル)を通じて、その顧客が企業やブランドにもたらす損益を累計して算出した成果指標のこと。
※アップセルとは
よりグレードの高いサービスの購入してもらうことで売上単価を向上させること。
※クロスセルとは
別の製品やサービスを追加購入してもらうことで売上単価を向上させること。
さまざまな顧客の、それぞれのビジネスモデルを深く理解し、顧客より顧客のビジネスについて詳しくなること。それにより顧客にインサイトを与えることがマツリカのカスタマーサクセスの目指す姿です。
カスタマーサクセスが持つべき視点は2つ。縦軸が視座の高さ(経営・事業・目標からやるべきことを逆算して考えること)、横軸が視野の広さです。
Sensesの運用担当となるのは営業チームのマネジャークラスであることが多いのですが、日本の営業組織のマネジャーは、年功序列で持ち上がりでの昇進か、営業のトッププレイヤーだった人材であることが多く、経営の視点から逆算して考えるのが苦手な傾向にあります。なので、私たちカスタマーサクセスが経営的な視点から顧客が気付かないところに示唆を提供していくことで、顧客の営業成果を最大化していきます。あらゆる業態のクライアントと関わるので、あらゆるビジネスモデルを理解できるのはSaaS・SFAのカスタマーサクセスとして働くメリットだと思います。そのために、社内で勉強会を開いたり、有用な記事をシェアしたり、個々で学ぶ努力も怠りません。
社内勉強会の様子
―どのようなチームで、どのような働き方をしていますか?入社後は、OJTメインで業務に就いてもらいます。カスタマーサクセスはやることがとにかく多く、チーム全体が一つの事業体のようになっています。そのため、役割を細分化してそれぞれに分配します。
いまは、オンボーダー、アカウントマネジャー、カスタマーエクスペリエンスの3チームに分かれていて、週次で進捗を共有し連携を取っています。チーム内での情報共有には、Gsuite、Senses、Slackをはじめとして、intercom、redash、marketoなどのツールを使っています。
オンボーダー:お客様の初期設計から運用定着までを担当
アカウントマネージャー:Sensesを活用してより営業成果を創出するための営業コンサルティングとSenses活用コンサルティングを担当
カスタマーエクスペリエンス:プロダクトの活用データをもとに顧客満足度の向上と利用促進、開発チームと共に行うプロダクト品質改善を担当
真面目で責任感あるプロフェッショナルな人が多いですね。皆が顧客と自社の事業の成功を真剣に考えています。
まず、Sensesは無限の可能性を秘めています。いま現在、ここまで質の高いセールスビッグデータを収集できるプラットフォームはSensesしかないと考えています。Sensesは、個別開発前提ではなく、営業組織の理想像から逆算したSFAのあるべき姿をプロダクトで実現しようとしています。このように、営業としての普遍的な“型”を提供していくことで純度の高いセールスビッグデータを蓄積し、そのデータを元にお客様に価値を還元していくことができるという意味で、高いポテンシャルを秘めていると思います。
また、Sensesには教育ツールとしての側面もあります。営業が、ビジネスモデルや収益構造など、ビジネスの全体像を理解して動けるようになるために、営業が見るべき指標がわかりやすく直感的に確認できるようになっています。毎日画面を利用してるだけでセールスリテラシーが身に付き、業績の向上につながるのです。
カスタマーサクセスのキャリアと選考について
―カスタマーサクセスのキャリアを経験することで、どのような能力が身につくとお考えですか?カスタマーサクセスは、今後益々伸びていくであろうSaaSの最重要ファンクションです。なぜかというと、一番大きなキャッシュポイント(※)になるからです。解約というマイナスを最小化するのだけではなく、さらに高めていくのがカスタマーサクセスの役割。その業務を経験することで市場価値は格段に上がると思います。
あと先ほど話した通り、経営や事業の視点で考えることが必要な仕事なので、経営や事業を考える能力も身につきます。
※キャッシュポイントとは
収益を生む機会のこと。年間サブスクリプション契約のSenses(SaaSビジネス)においては、契約期間が長ければ長いほどカスタマーサクセスが契約更新時の受注を獲得することとなる。
SaaSは、ホリゾンタルなビジネス(※)なのであらゆるジャンルの収益構造を理解し、売上に貢献できる点が面白いです。構造化されていてシンプルかつロジカルに経営指標を意識できるとともに、“狙って” 成長しやすい。経営をより意識できて、常に思考のトレーニングができるのが魅力じゃないでしょうか。プロダクトや提供するサービスが良ければ伸びる、悪ければ契約が切れる、嘘がないビジネスなのもいいですね。
※ホリゾンタルなビジネスとは
ホリゾンタルとは「水平」を意味する言葉。1つの業界に特化するのではなく、様々な業界・業種を対象とするビジネスのこと。Sensesも、業界を問わず営業職種に特化したプロダクトのため、ホリゾンタルなSaaSであるといえる。
顧客のニーズに応えることと、Sensesやマツリカの思想を貫くという、必ずしもイコールでない2大重要ポイントの最適解を考えるのが難しいですね。最適解を見つけるためにも、自社のプロダクトに圧倒的に詳しくなることが大事です。
スキルセットとしては、セールスへの深い知見と、一定のITへの理解・興味があることです。強烈な推進力とイニシアチブも必要ですね。
ロジカルさと熱意を見ています。最近カスタマーサクセスの選考に課題を設定しました。アカウントマネジャーとしての素養を見極めるためのものです。課題を通して、思考のプロセスがしっかりしているか、プロセスを言語化できるか、事業・経営の視点があるか、といった部分を確認します。
実をいうと、僕も最初はその視点が欠けていたんです。
新卒で外資系MRに入社し、営業成績が最下位の富山の営業所で数字の管理を任されるようになって「その日その日の数字だけ見ていてはここから抜け出せない」と思ったんです。それから、長期的な視点を持ち、高い視座でものごとを見ることを意識するようになりました。その後、経営コンサルティングの会社に転職し、事業に重要な指標の見方を学んだことで、現場視点から経営視点に変わっていきましたね。
▶︎▶︎ 中谷さんのこれまでとキャリアについてのインタビューはこちらから
口下手でも外資MRのトップ営業に。逆境を乗り越えてきた僕がスタートアップに飛び込んだ理由
カスタマーサクセスの選考で出している課題の例
経営視点があるか、ロジカルに思考を整理し言語化する能力があるかを確認する
強烈に事業を推進してくれる圧倒的なアグレッシブさと視座の高さ(経営・事業の視点)、スピード感がほしいですね。あとは、推進力があり、マツリカのバリューでもあるイニシアチブがあり、明るく元気でやる気があること。僕自身がインサイトを与えてもらえたら嬉しいです!
カスタマーサクセスを、最もセクシーな職種として認知される存在にしていく
―これからマツリカのカスタマーサクセスチームをどうしていきたいですか?とにかく、売上・シェアを拡大し、セールスビッグデータをさらに集めていきたいです。Sensesを売ることだけが我々のミッションではないので。そのために、メンバーを揃え、カスタマーサクセスを事業の中心として拡大させていきたいです。
最も優秀な人材が在籍し、最も稼ぎ、「SaaS界のカスタマーサクセスと言えばマツリカ」という状態まで持っていきたいですね。個々のメンバーがスペシャリティを発揮し、独立できるくらいの状態になるまでスキルを高めていくのが目標です。そして、「カスタマーサクセス」という仕事を、世の中で最もセクシーな(魅力的な)職種として認知される存在にしていきたいですね。
いまの日本の営業に不足しているのは、セールスを体系化し、構造化し、言語化する力です。逆にいうと、それだけ進化する余地があるということでもあります。
営業は、人の心を扱う仕事。テクノロジーではできない専門職です。同時に、事業の未来を作り出す仕事でもあります。それらを成し遂げるのは難易度が高いですが、その価値の大きさ、面白さは別格だと思います。
営業の仕事の7割程度は”型化”できると考えています。まず営業を科学し、その型化された7割の上に、オリジナリティを加え、アートのようなクリエイティビティを発揮することができたらいいと思っています。同時に人の心に寄り添い、最も”人間的”な仕事をすることで、お客様と一緒に答えを作っていくことができたら最高ですね。
最速でSensesを拡大し、マツリカで次の事業へシフトしていきたいです。個人としては「セールスのカリスマ」としての認知を上げ、独立したいですね。最近はTwitterやnoteでも発信しているので興味があれば読んでみてください。
▼Twitter:@midvalley2nd
▼note記事、4,000PV突破しました!
”営業を科学する” とは>>> https://note.mu/nakatani_ssl/n/ncf4aae84eb35
将来起業したい人、本気で世の中を変えようという気概のある人、僕と一緒にセールスというアートをサイエンスして日本の営業をアップデートしませんか?ぜひご応募お待ちしております!
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この記事を書いたひと
株式会社マツリカ カスタマーサクセス
統括部長
中谷 真史
Masafumi Nakatani
慶應義塾大学経済学部卒。新卒にて外資系製薬会社ノバルティスファーマへ入社。MRとしてトップセールスを経験した後、ベイカレント・コンサルティング、リブ・コンサルティングを経てマツリカへ入社。個人事業としてはSales Science Lab.を展開し、”営業を科学する”をモットーに、Sales×Technologyで新たな営業の世界観を切り開く。得意領域はセールスならびにセールスコンサルティング。
Twitter: @midvalley2nd
note: 中谷真史@Sales Science Lab.