コストをかけずに、優秀な人材を獲得できるリファラル採用。多額の採用活動コストをかけられない中小企業・ベンチャー企業には有効な採用方法ですが、リファラル採用もただ導入すれば良いわけではなく、正しい方法に沿って導入することが重要です。本記事では、リファラル採用のメリットや注意点、導入方法について解説します。

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、紹介を意味する英語”referral”から派生して生まれたHR用語で、「社員に人材を紹介・推薦してもらう採用手法」です。社員に知人・友人を紹介してもらうことで、自社にマッチした人材が得られることで、現在多くの企業がこの方法を採用し始めています。

これに似た言葉に「縁故採用」「コネ採用」がありますが、こちらは経営者や管理職の血縁者という理由から、適性に関わらず採用を優遇するという手法で、リファラル採用とは大きく異なります。リファラル採用はあくまで、社員が信頼関係の上で成り立っている知人・友人を紹介するだけであり、採用の有利不利は関係ありません。

リファラルとリクルーターの違い

あくまで、リクルーター制度は会社が社員に「〇〇の学生にアプローチしてください」と会社側がイニシアチブを持つのに対し、リファラル採用は社員の権限によって紹介する人を選べます。そのため、より現場目線から会社に適した人材を採用できます。

リファラル採用が求められている背景

企業がリファラル採用を導入するようになったのには、以下のような背景があります。

労働人口の減少

最も大きな背景が労働人口の減少です。2018年に総務省統計局が行った労働力調査によれば、正規雇用、非正規雇用ともにここ4〜5年において数値は伸びています。しかし、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った「2030年までの労働力人口・労働投入量の予測」によれば、65歳以上の人口比率の増加に伴って、2024年から減少傾向に転じるという統計が出ています。

<参照:2030 年までの労働力人口・労働投入量の予測~人数×時間で見た労働投入量は 2023 年から減少加速 ~|三菱UFJリサーチ&コンサルティング>

https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2018/03/report_180312.pdf

<参照:労働力調査(基本集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の要約|総務省統計局>

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf

この結果を踏まえると、早急に企業は大量アプローチ少量獲得の従来の採用方法から、リファラル採用/スクラム採用のような全社一丸となって行う採用方法にシフトする必要がありそうです。

多様性の許容

働き方改革により、ライフスタイルも多様化しつつあります。場所や時間にとらわれない働き方もある中で、どうしたら組織に残ってくれるかということを会社は真剣に考えなければなりません。さまざまな考え・価値観を受け入れながら、会社としてどう成長していくのか、今までとは抜本的に異なる採用のグランドデザインを描く必要がありそうです。

ミスマッチの増加

社風や給与、仕事内容の面でミスマッチが起こると、早期退職につながります。早期退職は採用コスト圧迫の原因になり、また企業ブランドのイメージも毀損します。リファラル採用にすることで、低予算で素早く自社にマッチした人材を確保できます。

ファラル採用のメリット

リファラル採用のメリットは大きく以下の3つです。

内定率の向上

株式会社MyRefer(マイリファー)が2019年に実施した「リファラル採用を実施している企業500社を対象に行った調査」によれば、リファラル採用に変更してからの内定率の数値は20%前後、実施前と比べると14倍もアップしています。自社の社員が推薦する人は会社と極めてマッチする人材である可能性が高く、それが内定率を押し上げる要因になっています。

<参照:イマドキの若者は先輩・知人の声で就職先を決めたい 新卒リファラル採用応募からの内定率が通常の14倍に|株式会社MyRefer(マイリファー)>

https://myrefer.co.jp/news/p19528/

採用コストの削減

リファラル採用を行うことで、マッチ率が上がり、求人媒体への出稿費用やエージェントへの登録コストを削減できます。より最小コストで最大の効果を得ることができます。

転職潜在層を採用できる

転職したいけど、まだ具体的なアクションに移せていない、いわゆる「転職潜在層」にアプローチできます。求人市場ではなかなか見つけることができないスキルセットを持った人材に出会えます。

リファラル採用の注意点

ここまで、リファラル採用のメリットを書きましたが、方法を間違えると失敗やトラブルも起こります。ここでは注意点を紹介します。

まず、1つ目が社員紹介制度に対して支払うインセンティブ(報酬)について。このインセンティブについては、報酬として支払うと職業安定法40条に違反する恐れがあります。もしインセンティブを支払うなら職業安定法40条で除外扱いとされる給与や賞与として支払いましょう。

もう1つ目が、リファラルをした人とされた人間の関係悪化の懸念です。もしリファラルを受けた人が不採用になった場合、早期に退職した場合、リファラルしたされた人の間には大きな隔たりが生じることも考えられます。ミスマッチが起こらないよう採用基準を明確にし、また不採用になった場合は、リクルーターと会社でアフターケアをするなど、求職者へのこまめなコミュニケーションが大切です。

リファラル採用を成功に導く3つのポイント

ファラル採用は、ただ導入を行うだけではうまくいきません。社内に告知し、経営者自らが社員に働きかけることにより、はじめて機能します。以下のポイントを踏まえて実施しましょう。

強制しない、誰かに話したくなる面白い社内制度を実施

リファラル採用を”強制しないこと”です。紹介したいと思わない限り、社員も良いリファラルは出せません。強制すれば、短期的に人は増えるかもしれませんが、ミスマッチの人材ばかりが増えて社員も疲弊し、離職率増加・業績悪化などの原因につながります。

採用基準を明確にする

自社に興味を持ってくれた人が必ずしも採用基準を満たしているとは限りません。従来の採用と同様、採用基準を設けましょう。特に、インセンティブ制度がある場合、社員が報酬目当てで手当り次第に声をかけるケースも考えられるので、採用基準を共有し、ミスマッチを未然に防ぎます。

オープンポジションを設置する

オープンポジションとは、「選考過程でその人のスキルを把握し、その人に合わせたポジションを作る、あるいは既存のポジションの中でマッチした仕事を振ること」を指します。中には、こちらが募集しているポジションに当てはまらないけど、自社のビジョンや社風にマッチしている人もいます。オープンポジションを設置すると、そういった方を柔軟に採用することができます。

リファラル採用の企業事例

最後に、リファラル採用を導入し、成功している企業事例をご紹介します。

株式会社サイバーエージェント

サイバーエージェントでは、「会社がどんな人物を求めているか」を定期的にメルマガで社員に周知しています。また、社員に紹介は強制せず、あくまで「飲み会などのついでにマッチングしそうな人がいたら声をかけてください」程度のカジュアルな形で制度の紹介を行っています。また、最初から選考に進めず、「カジュアル面談」から始め、求職者のニーズややりたいことを聞いたり、自社のリアルな内情を話したりなど、関係構築に重きを置いています。選考に進むか否かの判断は選考者に委ねます。

株式会社メルカリ

メルカリでは、経営陣のスケジュールを全社員に公開しています。誰と会い採用活動をどの程度実践しているかを明確に見られることで、社員も自主的にリファラルを出す意欲が湧きます。また、ミッションやバリューを明確にするだけでなく、それを実際に社内制度や働き方に落とし込み、その結果を「メルカン」というメディアで発信しています。

LINE株式会社

「最高を目指す、少数精鋭のチーム」をモットーに、2019年7月より、リファラル採用を本格的に推進しています。推進するために、LINEでは「リクルーターサクセス」というミッションを掲げた新組織を設立しています。これは、リクルーターを支援する目的で設立されたものです。また、「会食費の提供」「会食に便利な候補店舗のリストアップ」「各部署・会社のポジションに関する情報の公開」など、社員がより「紹介しやすく」なるような工夫をしています。

株式会社マツリカ

「世界を祭り化する」をミッションに掲げ株式会社マツリカ。 「フルフレックス制」、「フルリモートOK」など各々がモチベーション高く、最高のパフォーマンスを発揮できるにユニークな制度を導入しております。採用においてもリファラル採用制度を整備し、リラファルランチの費用の提供などを行っております。

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終わりに

労働力人口の減少、人材の流動化、大きく人材の流れが変わる昨今、さまざまな採用方法も変えていく必要があります。従来の採用手法ではコストの増大やミスマッチが生じる可能性があります。自社にマッチしそうな知人・友人を社員に紹介・推薦してもらうリファラル採用を進めてみてはいかがでしょうか?