1on1ミーティングとは、部下を育成する際に使われる手法の一つで、ヤフーが2012年に採用し、今では様々な企業が導入しています。本記事では、1on1ミーティングがなぜ今必要なのか、1on1の進め方、メリット・デメリットについて解説いたします。

▼目次

  • 1on1ミーティングとは? 
  • ・1on1ミーティングが必要な背景
  • 1on1ミーティングのメリット・デメリット
  • 1on1ミーティングとは?

    1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で対話する場のことを指し、2012年にヤフーなどの企業が導入を始め、パナソニック、日清食品、ソニーなど日本国内でも徐々に根付き始めています。

     

    また、個人面談というと評価面談の印象がありますが、1on1の目的はあくまで日々の業務での悩みや気付きをシェアし、上司が部下にフィードバックをするカジュアルな場です。

     

    ヤフーが行う1on1ミーティング

    ヤフーでは、2012年の新体制設立の際に「社員の才能と情熱を解き放つ」を人財育成のコンセプトに掲げ、1on1ミーティングを始めました。原則として週に1回30分の1on1を実施することが決められています。

     

    なぜ、これほどまでに部下と接する時間を確保するかというと、コミュニケーションは頻度が重要と考えているからです。実際に心理学でも、単純接触効果(ザイオンス効果)と呼ばれる法則があります。

    これは、接触頻度が多くなるほどその人に好感を持つというもので、まさにヤフーでは、接触頻度を増やし、信頼関係を構築することで、1on1ミーティングを円滑に回すことができています。

    1on1ミーティングが必要な背景

    1on1ミーティングを導入することがなぜ重要なのでしょうか?それは、以下の3つのポイントに集約されます。

     

    社員との信頼関係の強化

    少子高齢化により、今後、労働力不足が懸念されています。また、働き方の多様化により、人材の流動化は加速し、より優秀な人材は恵まれた環境を目指すでしょう。多くの企業では、いかに自社の社員とのリレーションシップを強化し、価値を最大限に引き出せるかが課題になっています。1on1によって、社員との密なコミュニケーションが図れ、関係性の強化が期待できます。

     

    多様性の受容

    女性やシニア世代の活躍、外国人労働者の受け入れなど、ダイバーシティーが日本国内でも根付いています。多様性の受容という観点では、まずお互いの価値観や考えを議論する1on1ミーティングのような場を浸透させることがなにより重要です。さまざまな価値観や意見を持った社員が同じ方向に進むには、コミュニケーションの数と質が大切です。

     

    不確実性の高い市場への適応

     不確実性の高い昨今の状況を、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとって「VUCA」と呼びます。このような状況下では、会社やそこで働く社員の価値観もめまぐるしく変遷します。それを逐一キャッチアップし、経営や事業に反映させていくことが求められます。

     

    1on1ミーティングのメリット・デメリット

    1on1ミーティングのメリット

     ・上司と部下の信頼関係の構築
    1on1ミーティングにより、上司と部下の信頼関係が構築されます。1on1はあくまで上司、部下間のコミュニケーションを活発にし相互理解を深めることが主目的にあり、レーティング(評価する)する場所ではありません。そのため、純粋な人対人の信頼関係が築けます。

     

    ・モチベーションの向上
    1on1ミーティングを定期的に実施することで、部下は上司に自身の課題や悩みを話すことができ、会社に対するエンゲージメントが高まります。また、上司は部下の本心に近づけるため、より一層、リアルな現場の悩み・課題を把握できます。

     

    ・深く問題を思考できる
    部下においては、上司という壁打ち相手を通して、深く問題を思考ができます。上司は議論して振り返り、それを次に活かすことで、部下の成長を促すことができます。

     

    1on1ミーティングのデメリット

    ・上司の力量によって結果が変わる
    部下と上司の1対1の対話によって成り立つため、上司の力量で質が変わってしまいます。やり方を間違えれば、部下のモチベーションを下げる原因になることも。

     

    ・コミュニケーションコストが増える
    1on1を実施すれば、その分全体のコミュニケーションコストは増えます。今終えなければいけない業務を後回しにすることもあるため、やり方を間違えると、長時間労働の原因にもなります。

     

    ・形骸化する
    気づかぬうちに形骸化してしまうことが最も致命的なデメリットです。必要な資料や情報の共有がされずになんとなく1on1が実施されることが続くと、必要性や意義を感じられなくなり、1on1の形骸化につながります。

     

    1on1ミーティングの手順・進め方

    1on1ミーティングは、適切なやり方で行うことが重要です。間違えたやり方で続けると、前述したように形骸化したり、部下のモチベーションを下げたりとマイナスの結果を生んでしまいます。

    テーマ設定する

    まず、1on1ミーティングで議論するテーマを設定します。1on1ミーティングは、部下を問い詰める場でも、レーティングする場でもありません。部下が自由に話をし、上司と議論できる場所ということを認識してもらうため、テーマは部下に決めてもらいます。テーマは、業務改善からキャリアの悩みなど、仕事にまつわることであればOKで、とにかく自由に話せることを部下に理解してもらい、テーマを設定してもらいます。

    1on1を定例化する

    1on1ミーティングは、形骸化しないよう定例化します。急なスケジュール調整が発生した場合は、中止ではなくリスケジュールなどの対応をし、必ずその回をパスしないようにします。そうすることで、社内全体で他の業務と同等に1on1ミーティングは重要な業務という認識が浸透します。

    内容を記録しPDCAを回す

    1on1ミーティングで議論した内容は、必ず記録をとり、業務改善や相互理解に活かします。ただ、議論するだけだと、なんのためにやっているのかと1on1に対するモチベーションが低下するので、前回の1on1の内容がどのように業務に採用されたか、またどれほどお互いの理解が進んだか明確化するフローが必要です。

     

    定期的に開催する

    最も大切なのが、1on1の定期開催です。単発だと上司と部下のリレーションも築けませんし、本当の意味での相互理解は実現できません。

     

    1on1ミーティングのアジェンダ例

    1on1ミーティングでは、基本的に部下にテーマを決めてもらいますが、大枠のアジェンダは決めます。というのも、信頼関係がないうちは、部下は遠慮して自由に積極的に話せないからです。振り返りもしやすく、効率的に1on1を進められます。

     

    雑談・フリートーク

    まずは仕事に関わらず、ざっくばらんに今気になっていること、悩みを共有します。あくまで、部下が主体ですが、部下がなかなか話せない場合は、上司が自らの体験談を話し、場を和ませましょう。

     

    課題の共有

    部下から、課題を共有してもらいます。効率性を考え、一回の1on1では”ワン・イシュー”を心がけましょう。

     

    課題へのアクションプラン策定

    課題に対するフィードバッグ、初回以降であれば、ここで前回の課題に対する振り返りや進捗確認をします。あくまで、カジュアルな場なので、傾聴の姿勢はなくさないように。叱責や問い詰めは厳禁です。

     

    1on1ミーティングを成功に導く技術

    1on1ミーティングは、上司の聞く姿勢一つでアウトプットできる成果が歴然と変わります。1on1は、叱責する場ではなく、部下の考え方、課題を把握する場です。まずは、否定せずに話を聞きましょう。以下に、参考になる聞き方について3種類ご紹介します。

    コーチング

    とにかく部下の話で気になる部分を掘り下げます。ここでは否定せず、とにかく部下に気づきを与えるような質問をします。「それはこうだよ」という回答は用意せず、とにかく聞くことに徹します。

     

    ティーチング

    知っている知識やノウハウを部下にシェアします。気づきを与えるべきか、率直に答えを与えるのか、項目によって使い分けると良いでしょう。例えば、会社の手続きの話はむしろ教えた方が早いですが、キャリアに関することは自分で考えて結論を出してもらった方が良いこともあります。

     

    フィードバック

    関係性が築けたら、アドバイスも盛り込みましょう。指摘しないと部下が困ること、損をすることに関しては、率直に意見を伝えた方がよい場合もあります。ただし、関係構築できていないうちにフィードバックを行うと反感を買うので、注意が必要です。

     

    1on1ミーティングの失敗例

    最後に、1on1ミーティングでよく起こる失敗ケースについてご紹介します。

    上司が答えを全て提示しまう

    上司が丁寧に部下に接しようとなって起こるパターンです。部下が考え抜いて答えを出すまでに、全て答えを提示してしまうと、部下の思考力が育まれず、上司に任せっきりの状態になってしまいます。これでは、チーム力も上がりませんし、良いリレーションは築けません。

     

    上司と部下の関係性がフラットでない

    絶対的に上司の方が立場が上だと、部下は意見を差し挟むことができず、ただ無為に1on1の時間を過ごすだけで、形骸化の原因になります。無意識に上下関係が成り立っていないか、見直しましょう。

     

    不満・批判をし合う話になっている

    お互いに信頼はしているものの、不満・批判をし合う場になってしまっているケース。
    こうなると、建設的な議論はできず、1on1としての目的は果たせません。なくなります。

     

    終わりに

    1on1ミーティングは、決して難しいことではなくシンプルに一人の一個人として信頼関係を構築することです。今の時代、部下を操る、従える、服従させるというマネジメントの方法は通用しません。いかに上司と部下の壁をなくし、関係をフラットにできるかが、1on1ミーティング成功のカギと言えるでしょう。

     

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