リモートワークが一般的になり、今や海外にいながらリモートワークをする生活も遠い理想ではなくなりました。とはいっても、文化の違いや言語の壁など、さまざまな問題があり、なかなかやってみようと決断できないもの。本記事では、オランダに移住しフルリモートで働く、マツリカの竹下さんに海外移住をしようと思った理由、至るまでの苦労などについてお話しをうかがいました。

 

前編では、竹下さんが歩んできたキャリアや海外リモートワークをするに至ったきっかけについて深堀りしました。後編では、海外リモートワーク生活で工夫していることや、オランダ人と日本人の働き方の違いについて迫ります。

会社員をしながら「海外リモートワーク」で生活が豊かに。マツリカの竹下さんがオランダへ移住した理由とは? ー前編ー

できないことは割り切って、チームメンバーに頼ろう

会社員をしながら「海外リモートワーク」で生活が豊かに。マツリカの竹下さんがオランダへ移住した理由とは?-後編-|mazrica times|1

 

ーー海外でリモートワークしたい方は今後増えるのではと個人的には思っています。竹下さんが実践されてきた海外リモートワークにおける工夫・コツがあれば教えて下さい。

 

契約関係の業務をしているのですが、コロナがきっかけで「クラウドサイン」などのオンライン契約サービスを使うお客さんも増えてきているものの、まだまだ書面が必要になるお客様もいるので、そこは東京オフィスにいるメンバーにお願いしています。あとは私に電話がかかってくると、オンライン通話になるので、ネット環境が悪いとすぐ繋がらないこともあって。なので、ネットが使えないのがウィークポイントかなと思います。海外電話だと料金も高くなるので、なるべくメールとお伝えしていますが、お電話を好まれる方もいるので。他は、子供たちの送り迎えがちょうどミーティングの時間とかぶるので、時差を考えながらタイムマネジメントを意識しています。

 

また、育児面でいうと、夏休みは日本に帰国して育児を分担する計画を立てていましたが、今年はそれができなかったので、大変な時は、今ハウスシェアをしている(同じ時期に移住してきた友人)の子供たちだけで過ごしてもらうようにしています。それができないときは、Zoomで実家とつないで両親に面倒を見てもらい、その間に私は仕事したりしています。

 

ーー前回、海外リモートワークをされた方が「人に頼るのが大事」とお話しされていて、共通する部分を感じました。

 

そうですね。子供もいるし時差もあるので、みんなの助けを借りながらやっています。マツリカは、コロナ前からリモートワークに理解のある会社だったので、そこはとてもありがたいです。

 

 

ーー「頼る」というスキルは必要な反面、時短勤務に負い目を感じてしまう方も多いのかなと。海外にいて対面で接することができないから、余計に気にする方も多いと思うのですが、そこは割り切りが大切でしょうか?

 

そうですね。そのタスクは「何のためにやっているのか」ということを考えたときに、会社の成長や売り上げにつながるもの、と割り切って考えることが大切ですね。

 

 

ーーその心構えいいですね。逆にストレスになっちゃう人も多いと思うんですよね。

 

海外移住する前に、10か月ほど東京のオフィスで働いていたので、移住する前に入社された方とは大体みなさんお会いしたり、ごはん食べに行ったりしてコミュニケーションをとっていました。それ以降に入社された方とはコミュニケーションが希薄になっているので、Slackの投稿にスタンプを押したり、弊社のサービス「Senses(センシーズ)」でコメントを入れたりとか。そうやって言い出しやすい環境を作っています。

 

あと、顔を忘れられないように、Slackのプロフィール写真を顔が大きく出ているものに変えたり、オンラインミーティングの時もなるべく顔を表示させたり、自分専用のスタンプを使ったり、なるべく皆さんに存在をアピールするようにしています。

 

オランダ人は”100点”を目指さない

会社員をしながら「海外リモートワーク」で生活が豊かに。マツリカの竹下さんがオランダへ移住した理由とは?-後編-|mazrica times|2

 

ーーオランダは公用語がオランダ語ですが、言語の面で不自由はありませんか?

 

オランダの方はみな英語が上手で、公的文書や首相会見はオランダ語ですが、Google翻訳を使ったり、役所に電話で聞いたら英語で答えてくれるので、特にオランダ語を話さなくても大丈夫ですね。私が住んでいる場所は、アムステルダムから電車で40分くらいにあるライデンという小さめの田舎町ですが、そこでも皆さん英語が上手です。

 

 

ーーそれなら安心ですね。オランダの働き方はどうでしょう?

 

 

例えば学校に子供を送るときも、半分以上はお父さんが来ているんです。子供を預けたあとも、そのまま学校内のカフェで何時間も喋っているんですよ。そこにまずびっくりして。オランダはワークシェアリングが浸透しているので、きっちり5日働く人が少なく、子供がいる人は時短で働いている家庭が多いので、日本人は働きすぎというのが分かりました。ヨーロッパの人たちは人生を楽しむために生きているなと思うし、仕事のために生きている人はほとんど見ないですね。

 

 

ーーオランダといえば、大麻や売春が合法ですが、どんな国柄・文化なのでしょう?

 

オランダの人は譲り合うし、レディファーストだし、子供たちにもおおらかですね。文化はすごく寛容でおおらかな反面、大麻やお酒や性に関する教育を幼少期から行っています。そして子供たちも、学校で「自分はどうしたいか」や「自分に影響があるもの」を考え、学ぶので、よく理解しています。だからこそ、あまり他の人の目や行動が気にならないんだと思います。

 

 

ーーなるほど。”他の人が”ではなく、”自分が”したいからするんだ、という感じですね。

 

そうです。だから他人に対しても「そっか、それは君が決めたことなんだね」という風に受け入れられるんだと思います。なので日本みたいにSNSで叩きあったり人を妬んだりするのは少ないのかなと思います。

 

 

ーーちなみにその考え方はアメリカとも違いますか?

 

アメリカは「赤と黒どっち選ぶ?」「じゃあ赤!」みたいな感じですが、オランダは解決するように努力します。どっちが勝つではなくて、「私は赤が好きだけど2番目に何色がすき?2人が2番目に好きな色がかぶったらそれにしよう」みたいな、妥協点を探すんです。オランダ人は100点を目指さないんですよ。60点でもOKでしょみたいな、完ぺき主義ではないというか。

 

最初から完ぺきなんてない。まずは移住してから心配しよう!

会社員をしながら「海外リモートワーク」で生活が豊かに。マツリカの竹下さんがオランダへ移住した理由とは?-後編-|mazrica times|3

 

ーーコロナが収束したあとのオランダでは、働き方がどのように変わっていくと思いますか?

 

イギリスがEUから離脱したころから、オランダがヨーロッパのハブになりつつあって、いろいろな国のスタートアップがイギリスからアムステルダムに移動しています。オランダは税金や家賃を優遇したりするなど、スタートアップの誘致に力を入れています。なのでこれからどんどん面白くなってくるんじゃないかなと思います。また、働き方の面でいえば、オランダもやはりリモートワーク主体になるのかなと思います。

 

 

ーーこれから海外でリモートワークしたい方に向けてメッセージをお願いします。

 

知り合いづてに移住相談を受けることがあるのですが、みなさんとても不安や心配をされています。ただ、一つ言えるのは、移住前の不安は、実際来てみたら取り越し苦労だったと思うことが多いです。もちろん、コロナみたいな予期できないことも起こるので、完ぺき主義ではなく心に余裕をもったほうがいいですね。

 

あとは、私の勤めている会社がリモートワークOKだったので、そこは本当に感謝です。文面だけだと伝わりにくいことも多いので、Zoomとかで顔を見ながらのコミュニケーションを増やす、感謝の気持ちを忘れない、そして自分の体力をつけること、ですね。

 

 

ーー最後に、今後の展望やチャレンジしたいことを教えて下さい。

 

これからマツリカは成長していく時期なので、それに合わせて効率的に正確な仕事ができるよう色々とサポートもしていきたいです。リモートワークになってさらにSenses(センシーズ)のありがたみがわかるようになりました。それをもっとうまく使えるように、改善(フィードバック)の提案もしたいなと思っています。

 

また、私はインテリアが好きで日本の方に北欧のインテリアを販売するオンラインショップを運営しています。オンラインで購入したものをアップしたり、お客さんにお願いされたものを探して買ってきたりしています。まだ、小さなショップなのでお見せはできませんが(笑)このショップもマイペースに大きくしていけるといいなと思います。

 

この記事を書いたひと


俵谷 龍佑

俵谷 龍佑 Ryusuke Tawaraya

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、ランサーズ株式会社等